バカラはシューからカードを配り、配ったカードは戻しません。つまり1枚出るたびに残りの構成が変わります。これはブラックジャックでカードカウンティングが成り立つのと同じ性質です。ではバカラのカードカウンティングは意味があるのでしょうか。私たちは8デッキ(416枚)から各ランクのカードを1枚抜いた場合の正確な確率を全数計算し、さらに数千シューを模擬して確かめました。結論は、バンカー・プレイヤーへの影響は確かに存在するがほぼ無価値、タイは揺れるがほとんど有利にならない、ペアのサイドベットだけがシュー終盤でまれに有利になる、です。
ブラックジャックではプレイヤーが「ヒット・スタンド・ダブル・スプリット」を自分で選びます。残りに10とAが多いと最善手が変わり、ブラックジャックの3対2配当も増えるので、効果が同じ方向に重なります。だから+1/−1の単純なカウントで価値の大半を拾えます。バカラは賭けたあとに誰も何も決めません。両手とも固定の3枚目ルールで引くだけです。しかもバンカーとプレイヤーは鏡のような関係で、バンカーに有利なカードはほぼ同じ分だけプレイヤーに不利になり、シュー全体ではほとんど打ち消し合います。もともとの控除率(バンカー1.06%、プレイヤー1.24%)は小さいのに、1枚あたりの変化はそれよりはるかに小さいのです。
下の表は、満杯の8デッキからあるランクのカードを1枚抜いたときに、各賭けの期待値が何ポイント動くかを示します。単位は賭け金に対する百分率ポイント、プラスは賭ける側に有利になった意味です。
| 抜いたカード | バンカー | プレイヤー | タイ(8対1) |
|---|---|---|---|
| A | +0.0044 | −0.0045 | +0.0129 |
| 2 | +0.0052 | −0.0054 | −0.0239 |
| 3 | +0.0065 | −0.0067 | −0.0214 |
| 4 | +0.0116 | −0.0120 | −0.0292 |
| 5 | −0.0083 | +0.0084 | −0.0264 |
| 6 | −0.0113 | +0.0113 | −0.1160 |
| 7 | −0.0083 | +0.0082 | −0.1091 |
| 8 | −0.0050 | +0.0053 | +0.0654 |
| 9 | −0.0023 | +0.0025 | +0.0426 |
| 10・J・Q・K(1枚あたり) | +0.0019 | −0.0018 | +0.0513 |
読み取れることは3つです。第一に、小さいカード(A〜4)が出るとバンカー有利、5〜9が出るとプレイヤー有利。第二に、バンカーに最も効くのは4、プレイヤーに最も効くのは6ですが、その4でさえバンカーを動かすのは約0.01ポイント、つまり1万分の1です。第三に、タイは6と7に強く反応します。6-6と7-7は最も多いタイの組み合わせで、2つ合わせてタイ全体の41.6%を占めるため、6と7が減るとタイが起きにくくなるからです。
バンカーの期待値は−1.0579%です。4を1枚抜くごとに約0.0116ポイント改善するので、4だけで損益分岐に届かせるには 1.0579 ÷ 0.0116 ≈ 91枚の4が先に出ている必要があります。ところが8デッキに4は32枚しかありません。有利なランクをすべて同時に数えても、残りカードがよほど極端に偏らない限りバンカーもプレイヤーもプラスになりません。1枚の影響はシューが減るほど大きくなります(残り52枚なら1枚は416枚のときの8倍の重み)が、そのころにはシューはほぼ終わっています。
各条件で8デッキのシューを3,000回ランダムに配り、全ランクを完璧に記憶したと仮定して、毎ゲーム前に上の表で各賭けの期待値を見積もりました(線形近似。バンカー・プレイヤーでは正確計算との差が約±0.25ポイント以内でした)。結果を左右したのはカットカードの位置、つまり最後に配られずに残る枚数だけでした。
| カットカード | 1シューのゲーム数 | バンカー有利 | プレイヤー有利 | タイ有利 |
|---|---|---|---|---|
| 最後の52枚を配らない | 74.1 | 0.000% | 0.001% | 0.000% |
| 最後の14枚を配らない | 81.8 | 0.148%(1シュー0.12回) | 0.057%(0.05回) | 0.013%(0.01回) |
下の行をよく見てください。深くまで配り、記憶も完璧でも、バンカーが有利になるゲームは約8シューに1回、そのときの平均優位は約0.20%です。その1ゲームに100単位賭けても期待値は約0.2単位、しかも待つ間に約650ゲームを見送ることになります。タイは有利になるときの幅が大きい(平均約1.8%)ものの、100シューに1回程度です。実用上、メインベットのカウンティングで控除率は覆せません。
プレイヤーペア・バンカーペアは性質が違います。配当の根拠が「同じランクのカードが何枚残っているか」そのものだからです。新しい8デッキでペアが出る確率は7.47%、11対1の配当で控除率は10.36%。ペア確率が12分の1(8.33%)を超えると賭けがプラスになります。残りカードが少数のランクに偏ったときに起こり、それはシューの終盤です。20,000シューを模擬し、毎ゲーム前にペア確率を正確に計算しました。
| カットカード | ペアが有利なゲーム | 1シューあたり | そのゲームの平均優位 | 観測した最高ペア確率 |
|---|---|---|---|---|
| 最後の52枚を配らない | 0.531% | 0.39ゲーム | +3.75% | 11.46% |
| 最後の14枚を配らない | 2.226% | 1.82ゲーム | +11.06% | 23.81% |
つまりペアは、カードを追跡すると測定できる優位が出る唯一の場所です。有利なゲームに1単位ずつ賭けると、深くまで配るテーブルで1シューあたり約0.20単位、1デッキ分をカットするテーブルで約0.015単位。ただし条件は厳しく、13ランクを別々に数え(ペアはランクで決まるので10とKはペアになりません)、毎ゲーム再計算し、最後近くまで配るテーブルが必要です。これは暗算ではなくコンピュータの帳簿で、11対1の賭けの振れ幅に比べると利益はごく小さいものです。
カウンティングが教えてくれるのは「残りのカードの構成」だけです。次のゲームの勝者を役に立つ精度で当てることはできませんし、罫線の連勝や並びとも無関係です。罫線は過去の結果を書いたもので、残りカードの情報ではありません。完璧に数えても、バンカーの勝率が動くのは小数点以下2桁の世界です。基礎となる数字はバカラの確率と控除率を、用語はバカラ用語集を参照してください。バカラ予測ツールで、次がバンカー・プレイヤーのどちらでも罫線の絵はどう変わるかを見ると、絵は動いても確率がほとんど動かないことが実感できます。
バカラでカードカウンティングはできますか? できます。シューは戻さずに配られるので、カードが出るたびに確率は動きます。ただしバンカー・プレイヤーの動きは1枚あたり約0.01ポイントと極めて小さいです。
バカラ用の簡単なカウント(+1/−1)はありますか? 上の表に沿って小さいカードをバンカー寄り、5〜9をプレイヤー寄りと重み付けはできます。しかし完璧に追跡しても、深く配るテーブルでバンカーが有利になるのは全ゲームの0.148%、1デッキをカットするテーブルではほぼゼロでした。
カウンティングが最も効く賭けは? ペアのサイドベットです。各ランクの残り枚数で確率が直接決まるため、深くまで配られたシューの終盤にプラスになることがあります。
タイには効きますか? 6と7が減るとタイは起きにくく、8・9・10が減ると少し起きやすくなります。しかしタイの賭けは8対1で最初から14.36%の不利があり、有利になったのは100シューに約1ゲームでした。
カードカウンティングは違法ですか? 自分の記憶で数えること自体は一般に犯罪ではありませんが、テーブルで機器を使うことは禁止されている場合があり、カジノは入場を断れます。国や地域で異なります。なお日本国内からオンラインカジノを利用することは違法です。
シューが実際にどう進むかを自分の目で確かめたいなら、無料のバカラ罫線アプリで1ゲームずつタップして記録してみてください。ナチュラル・ペアなどの出来事に印がつき、何シューも重ねると「珍しいこと」が実際にはどれほど少ないかが見えてきます。
除去効果は8デッキから1枚抜いた状態の全数計算、シューの頻度はシミュレーション(メインベット各3,000シュー・線形近似、ペア20,000シュー・正確計算)による — Baccarat Terminal、2026年10月。日本国内からのオンラインカジノの利用は違法です。20歳以上・情報提供のみ。