「バカラの確率は収束するのか」「何ゲーム打てばバンカー50.68%に落ち着くのか」。答えは、割合は収束するが、収支の合計は収束しないです。この2つを混ぜると、「負けが続いたから次は勝ちが来る」という誤りに行き着きます。このページでは8デッキ(416枚)の正確な確率(バンカー45.86%・プレイヤー44.62%・タイ9.52%、タイを除くとバンカー50.68%・プレイヤー49.32%。出典はバカラの確率と控除率)をもとに、ゲーム数ごとに何が起きるかを計算します。
タイを除いた勝負の回数ごとに、観測されるバンカーの割合が95%の確率で収まる範囲です(1シュー=約72勝負)。
| 勝負の回数 | 目安 | 95%の範囲(バンカーの割合) | ブレの幅 |
|---|---|---|---|
| 36 | 半シュー | 34.4%〜67.0% | ±16.3ポイント |
| 72 | 1シュー | 39.1%〜62.2% | ±11.6ポイント |
| 360 | 5シュー | 45.5%〜55.9% | ±5.2ポイント |
| 720 | 10シュー | 47.0%〜54.3% | ±3.7ポイント |
| 3,600 | 50シュー | 49.1%〜52.3% | ±1.6ポイント |
| 7,200 | 100シュー | 49.5%〜51.8% | ±1.2ポイント |
| 72,000 | 1,000シュー | 50.3%〜51.1% | ±0.4ポイント |
1シューではバンカーが39%しか勝たないことも、62%勝つことも「普通」です。つまり1シューの中でバンカーが負け越しても、それは確率がずれた証拠ではありません。バンカーとプレイヤーの差(1.37ポイント)が統計的に見えてくるのは、数百シューを数えてからです。個人の記録でそこまで届く人はほとんどいません。
バンカーに毎回1単位(ここでは1,000円)を賭け、タイは返金とした場合の正確な値です。
| ゲーム数 | 期待値 | 95%の範囲 | 勝ち越している確率 |
|---|---|---|---|
| 100 | −1.1単位(−1,100円) | −19〜+17単位 | 45.5% |
| 1,000 | −10.6単位(−10,600円) | −68〜+47単位 | 35.9% |
| 10,000 | −106単位(−106,000円) | −288〜+76単位 | 12.7% |
| 100,000 | −1,058単位(約−106万円) | −1,633〜−483単位 | 0.1%未満 |
見るべきは3列目です。100ゲームの範囲は36単位の幅、1,000ゲームは115単位、10,000ゲームは364単位。合計のブレは縮まらず広がり続け、一方で期待値(マイナス)は直線的に積み上がるので、やがて範囲全体がマイナス側に入ります。100ゲームなら半分近くの人が勝ち越していますが、10,000ゲームで勝ち越しているのは8人に1人です。「収束」とは、この勝ち越しの確率がゼロへ向かうことを意味します。
1単位(1,000円)のフラットベットで、1時間の期待損失と標準偏差です。
| 1時間のゲーム数 | 期待損失(バンカー) | 標準偏差 | 95%の範囲 |
|---|---|---|---|
| 60(ゆっくりのテーブル) | 635円 | 7,180円 | ±14,100円 |
| 80(1シュー) | 846円 | 8,290円 | ±16,300円 |
| 120(スピードバカラ) | 1,269円 | 10,160円 | ±19,900円 |
期待損失は1時間あたり千円程度なのに、ブレはその10倍以上あります。だから1日単位では「確率どおり」になった実感がまったく湧きません。逆に言えば、1日の勝ちも負けも、ほぼ全部がこのブレです。
1シュー(タイ除く約72勝負)で同じ側が続けて勝つ確率は、5連続以上92.1%、6連続以上68.8%、7連続以上42.4%、8連続以上23.4%、10連続以上6.1%です。長いツラは異常ではなく、50.68%と49.32%のコインを72回投げたときに必ず混ざるものです。長いツラが出た分、どこかで「打ち消す」逆のツラが来るわけではなく、その後は単に50.68%の勝負が続くだけです。
これがギャンブラーの誤謬です。例えば1シューでバンカーが30勝42敗(12勝負のマイナス)だったとします。次のシューのバンカー勝率は、やはり50.68%です。1,000勝負後にバンカーの割合が50.68%に近づくのは、残りの928勝負が12の差を薄めるからであって、埋めるからではありません。割合は薄まって収束し、差(単位数)はそのまま残り、さらに新しいブレが上乗せされます。上の表で1,000ゲームの範囲が−68〜+47と100ゲームより広いのは、この仕組みのせいです。
マーチンゲールのような倍々の賭け方も、この誤りの上に成り立っています。「いつか勝つ」のは本当ですが、勝ったときの利益は1単位で、連敗の損失は2のべき乗で増えます。計算はバカラのマーチンゲール法で確かめられます。
理論値がそのまま出るかを、実際のライブバカラ136,825シューのバックテストで確認しました。常にバンカーに賭けた結果は1ゲームあたり−1.11%(理論値−1.06%)、罫線やパターンに基づく84種類の戦略はすべて−1.0〜−1.3%、的中率は49.7〜50.7%でした。6,000シューの最初の標本でプラスに見えた設定も、120,825シューの確定標本ではすべて理論値のまわりに収束しています。長いツラが次も続く確率も、長さに関係なく50.5〜50.9%でした。収束は、戦略の違いを全部削り落として控除率だけを残します。他の戦略の検証はバカラの必勝法は存在する?に、使われたカードによる小さな確率の変化はバカラのカードカウンティングにまとめています。
バカラの確率は何ゲームで収束しますか? 割合が±1ポイント程度に収まるのは約7,000勝負(100シュー)、±0.4ポイントで約72,000勝負です。1シューでは±11.6ポイントの幅があります。
収束を利用して勝てますか? いいえ。収束するのは割合であって、負けた分が戻ることではありません。次の1ゲームの確率は、それまでの結果に関係なく同じです。
1シューで控除率どおりの結果になりますか? なりません。80ゲームの期待損失は約0.85単位ですが、標準偏差は8.3単位。1シューの結果は、ほぼ全部が偶然のブレです。
10,000ゲームで勝ち越す確率は? バンカーのフラットベットで12.7%。100ゲームなら45.5%です。
自分の記録で割合がどう動くかを見たいなら、無料のバカラ罫線アプリでシューごとの勝敗数を保存しておくと、数十シュー後に上の表と見比べられます。進行中のテーブルの勝敗数はバカラのリアルタイム記録で確認できます。
確率は8デッキの全数計算。割合の範囲は正規近似、100〜10,000ゲームの収支は正確計算、100,000ゲームは正規近似。1ゲームは独立、タイは返金として計算。日本国内からのオンラインカジノの利用は違法です。20歳以上・情報提供のみ。